違法無線機とは?使用・所持は違法!特徴や見分け方、罰則を解説

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違法無線機とは?使用・所持は違法!特徴や見分け方、罰則を解説

長距離通信を可能にする魅力的な無線機に心惹かれる気持ち、よく分かります。
しかし、その一方で、安価で性能の良い無線機の裏には、知らずに違法な製品に手を出し、トラブルに巻き込まれてしまうリスクが潜んでいることも事実です。

「違法無線機」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

この記事では、違法無線機とは何か、その特徴や見分け方、そして使用した場合の罰則について解説していきます。

無線機に興味があり、安心して使える製品を選びたい方のために、違法無線機に関する知識を深め、安全に無線機を楽しむための情報をご紹介します。

□違法無線機とは何か?

違法無線機とは、簡単に言えば、日本国内での使用が法律で認められていない無線機のことです。

具体的には、「技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)」 が付いていない無線機が該当します。

技適マークは、製品が日本の電波法に適合していることを示すもので、いわば「お墨付き」のようなものです。

この技適マークが付いていない無線機は、すべて違法であり、使用はもちろん、所持しているだけでも犯罪となるため、注意が必要です。

1: 違法無線機が生まれる背景

では、なぜ技適マークのない違法無線機が存在するのでしょうか。
その理由は、大きく分けて二つあります。

・海外製の無線機

海外では、日本の電波法とは異なる基準で無線機が製造・販売されている場合があります。

そのため、日本国内で合法的に販売されている無線機であっても、日本の電波法に適合していないケースがあり、違法無線機として扱われてしまうことがあります。

・国内製の無線機の改造

国内で販売されている無線機を、性能を向上させる目的で改造した場合、電波法に違反する可能性があります。

特に、出力や周波数を変更するような改造は、電波干渉を引き起こし、他の無線通信を妨害する恐れがあるため、厳しく規制されています。

2: 違法無線機使用の危険性

違法無線機を使用すると、様々な危険が伴います。

・通信妨害

違法無線機は、電波法に適合していないため、他の無線通信に干渉し、通信を妨害する可能性があります。

例えば、航空機や船舶の航行、警察や消防の無線通信、さらにはテレビやラジオの放送などに悪影響を及ぼす可能性があります。

・会話盗聴

違法無線機の中には、盗聴器としての機能を持つものも存在します。
違法無線機を使って、他人の会話を盗聴することは、プライバシーの侵害であり、犯罪行為となります。

・交通機関の混乱・麻痺

違法無線機が航空機や船舶などの交通機関の通信に干渉した場合、航行の安全が脅かされ、事故に繋がる可能性もあります。

・罰則

違法無線機を使用したり、所持したりした場合は、電波法違反として罰せられます。

□違法無線機の特徴

違法無線機は、一般的に、長距離通信が可能、安価、インターネット販売が中心といった特徴があります。

これらの特徴に当てはまる無線機を見かけた場合は、違法無線機である可能性が高いため、十分に注意が必要です。

1: 長距離通信が可能

違法無線機は、日本の電波法で定められている出力制限を超えて、高出力で通信を行える場合があります。

そのため、正規の無線機よりも長距離通信が可能となっているケースが多く、10km以上通信できるものも存在します。

国内で使用できる無線機の通信距離の目安は、50m~5㎞程となっているので、頭に入れておくと役に立つでしょう。

2: 安価

違法無線機は、正規の無線機よりも安価に販売されています。

特に、海外製の無線機は、国内の製造基準を満たしていないため、安価で販売されることが多いです。

国内メーカーが販売する10,000円~20,000円台の無線機は「特定小電力トランシーバー」と呼ばれ、通信距離は50m~200m程の製品です。
そのため、このくらいの価格帯であるにも関わらず、数十㎞以上の距離で通信ができる無線機には注意が必要です。

3: インターネット販売が中心

違法無線機は、実店舗での販売よりも、インターネット販売で販売されることが多いです。

これは、インターネット販売であれば、実店舗のように場所を借りる必要がなく、手離れ良く販売するためです。

小さな文字で、「国内では使用できません」という文言が記されています。

□違法無線機の見分け方

違法無線機かどうかを見分けるためには、以下のポイントを参考にしましょう。

1: 技適マークの確認

最も重要なのは、技適マークの有無を確認することです。
技適マークは、製品の背面や設定メニューなどに表示されています。

無線機のみならず、スマートフォンにもこのマークが付けられているので、お時間があるときに確認してみてください。

最近では設定メニューからディスプレイに表示する場合も。
技適マークは、国内で安心して使える製品であることを表しているのです。

技適マークが付いていれば、海外製のトランシーバーであっても使用できますが、ネット上で販売されている機器には技適マークはあってもプログラム変更が必要だったり総務省への届け出、無線従事者資格が必要な場合も多く、技適マークがあるからといってそのまま利用できるわけではありません。

□違法無線機を使用した場合の罰則

違法無線機を使用したり、所持したりした場合は、電波法違反として罰せられます。

罰則は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑が科せられます。

さらに、公共の電波を阻害した場合には、5年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金刑が科せられる場合もあります。

1: 罰則の厳しさ

違法無線機の使用は、軽微な違反と捉えられがちですが、実際には非常に重い罰則が科せられる可能性があります。

2: 違法無線機を使用した際の責任

違法無線機を使用した結果、他の無線通信を妨害したり、事故が発生したりした場合、使用者は刑事責任を負う可能性があります。

また、電波法の仕様には沿っているものの、総務省に未申請の無線機を使用した場合も同様です。

電波法を遵守するためには要求仕様を守るだけでなく、無線機を利用している旨を総務省にきちんと報告する必要があります。

3: 違法無線機を所持した場合の責任

違法無線機を所持しているだけでも、犯罪となるため、注意が必要です。

総務省の各地方の総合通信局は、不法無線局の取り締まりを行っています。

不法無線局は、警察や消防の他、携帯電話やテレビなど、我々の生活に密着した電波が妨害されることに繋がります。

実際に数々の事例で逮捕者が出ています。

・船舶や移動車両に無線局の免許がない無線機を設置した

・電波法で定められた上限の数倍の電波の無線LANを自宅に設置していた

・警察無線を不正に傍受していた

このように、事例は多岐に渡ります。

□まとめ

この記事では、違法無線機とは何か、その特徴や見分け方、そして使用した場合の罰則について解説しました。

違法無線機は、安価で長距離通信が可能という魅力的な側面を持つ一方で、電波法違反であり、使用や所持は犯罪です。

安心して無線機を使用するためには、技適マークの有無を確認し、信頼できる販売店から購入・レンタルすることが重要です。

違法無線機を使用すると、通信妨害や会話盗聴、さらに交通機関の混乱・麻痺といった危険が伴い、重い罰則が科せられる可能性もあります。

無線機を楽しむためには、電波法を遵守し、安全に配慮することが大切です。

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