あなたが使っている無線機、本当に合法ですか?
「違法無線機」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
近年、違法無線機の使用が増加しており、知らずに違法な無線機を使うことで、電波法違法として重大な罰則を受ける可能性があります。
法律違反を防ぐためには、違法無線機の特徴を理解し、正しい製品を選ぶことが重要です。
この記事では、違法無線機とは何か、その特徴や見分け方、そして使用した場合の罰則について解説していきます。
無線機に興味があり、安心して使える製品を選びたい方のために、違法無線機に関する知識を深め、安全に無線機を楽しむための情報をご紹介します。

違法無線機とは何か?
違法無線機とは、簡単に言えば、日本国内での使用が法律で認められていない無線機のことです。
具体的には、「技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)」 が付いていない無線機が該当します。
技適マークは、製品が日本の電波法に適合していることを示すもので、いわば「お墨付き」のようなものです。
この技適マークが付いていない無線機は、すべて違法であり、使用はもちろん、所持しているだけでも犯罪となるため、注意が必要です。
違法無線機が生まれる背景
では、なぜ技適マークのない違法無線機が存在するのでしょうか。
その理由は、大きく分けて二つあります。
海外製の無線機
海外では、日本の電波法とは異なる基準で無線機が製造・販売されている場合があります。
そのため、日本国内で合法的に販売されている無線機であっても、日本の電波法に適合していないケースがあり、違法無線機として扱われてしまうことがあります。
また、一部のオンラインショッピングでは気軽に購入することができるため、購入の際は注意が必要です。
国内製の無線機の改造
無線機の改造は違法です。
電波をよりよく飛ばしたいため送信出力を強化したり、法定外の周波数帯を利用するために変更したりするなど、性能を向上させる目的で改造すると、電波法に違反し罰せられます。
特に、出力や周波数を変更するような改造は、電波干渉を引き起こし、他の無線通信を妨害する恐れがあるため、厳しく規制されています。
改造を行うとメーカー保証が適用されなくなり修理を断れたり、改造が原因で無線機の性能が低下し、予期しない故障など発生する場合があるので、改造は行わないでください。
違法無線機使用するとなぜいけないのか?

違法無線機を使用すると下記のようなリスクの可能性があるため、使用を禁止しています。
通信妨害
違法無線機は、電波法に適合していないため、他の無線通信に干渉し、通信を妨害する可能性があります。
特に公共の安全に関わる通信、航空機や船舶の航行や警察や消防の無線通信などに影響を及ぼした場合、重大な罰則を受けることがあります。
会話盗聴
違法無線機の中には、盗聴器としての機能を持つものも存在します。
違法無線機を使って、他人の会話を盗聴することは、プライバシーの侵害であり、犯罪行為となります。
交通機関の混乱・麻痺
違法無線機が航空機や船舶、電車新幹線などの交通機関の通信に干渉した場合、航行の安全が脅かされ、事故に繋がる可能性もあります。
違法無線機の特徴
違法無線機は、一般的に、長距離通信が可能、安価、インターネット販売が中心といった特徴があります。
これらの特徴に当てはまる無線機を見かけた場合は、違法無線機である可能性が高いため、十分に注意が必要です。
長距離通信が可能
違法無線機は、日本の電波法で定められている出力制限を超えて、高出力で通信を行える場合があります。
そのため、正規の無線機よりも長距離通信が可能となっているケースが多く、10km以上通信できるものも存在します。
国内で使用できる無線機の通信距離の目安は、50m~5㎞程となっているので、頭に入れておくと役に立つでしょう。
安価
違法無線機は、正規の無線機よりも安価に販売されています。
特に、海外製の無線機は、国内の製造基準を満たしていないため、安価で販売されることが多いです。
国内メーカーが販売する10,000円~20,000円台の無線機は「特定小電力トランシーバー」と呼ばれ、通信距離は50m~200m程の製品です。
そのため、このくらいの価格帯であるにも関わらず、数十㎞以上の距離で通信ができる無線機には注意が必要です。
インターネット販売が中心
違法無線機は、実店舗での販売よりも、インターネット販売で販売されることが多いです。
これは、インターネット販売であれば、実店舗のように場所を借りる必要がなく、手離れ良く販売するためです。
小さな文字で、「国内では使用できません」という文言が記されています。
違法無線機の見分け方
違法無線機かどうかを見分けるためには、 技適マークの確認が必須です!
違法無線機を見分けるには、技適マークの確認が重要です!
まず最初に、技適マークがあるかどうかを確認しましょう。
このマークは、製品の背面や設定メニュー内に表示されています。
無線機だけでなく、スマートフォンにも技適マークが付いています。
時間があるときに一度確認してみてください。
最近では、設定メニューから画面に表示される場合もあります。
技適マークは、その製品が国内で安全に使用できることを証明するものです。
ただし、技適マークが付いている海外製トランシーバーであっても、そのまま使えるとは限りません。
一部の機器では、プログラムの変更、総務省への届け出、無線従事者資格が必要になる場合があります。ネット上で購入する際は注意が必要です。
違法無線機を使用した場合の罰則
違法無線機を使用したり、所持したりすると、電波法違反として罰せられます。
罰則は以下の通りです:
- 一般的な違反の場合:1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
- 公共の電波を妨害した場合:5年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金
違法無線機の使用と罰則の厳しさ
違法無線機の使用は軽微な違反と見られがちですが、実際には非常に重い罰則が科せられる可能性があります。
特に他の無線通信を妨害した場合、責任がさらに重大になります。
違法無線機を使用した際の責任
違法無線機を使用した結果、以下のような問題が発生する場合があります:
- 他の無線通信の妨害
- 社会的インフラ(警察・消防・携帯電話など)の機能停止
- 事故の誘発
また、電波法の仕様に適合している場合でも、総務省への申請を怠ると違反となるため注意が必要です。
無線機を使用する際には、仕様を守るだけでなく、総務省に適切に申請する必要があります。
違法無線機の所持について
違法無線機を所持しているだけでも犯罪となるため、非常に注意が必要です。
総務省の各地方総合通信局では、不法無線局の取り締まりを行っています。
違法無線機による影響例:
- 警察や消防無線、携帯電話、テレビなどの電波妨害
- 緊急通信の妨害による社会的混乱
実際の事例
違法無線機に関わる逮捕事例には、以下のようなものがあります:
- 船舶や移動車両に無免許の無線機を設置
- 電波法の上限を超える無線LANを自宅に設置
- 警察無線を不正に傍受
このように事例は多岐に渡り、重大な結果を招く可能性があります。
無線機を使用する際は、必ず電波法を遵守してください。

まとめ
違法無線機の使用や所持は、電波法に違反し、重大な罰則や社会的リスクを伴います。
知らずに違法無線機を使用してしまうと、他の無線通信への干渉や公共の安全を脅かす可能性があり、自分だけでなく周囲にも大きな影響を与えかねません。
無線機を使用する際は、必ず 技適マークの有無を確認 し、総務省への申請を含めた適切な手続きを行うことが重要です。
また、安価で長距離通信が可能な無線機をインターネットで見かけた場合には、違法無線機の可能性が高いため、十分に注意しましょう。
安心して無線機を利用するためには、法律を正しく理解し、適合した製品を選ぶことが何より大切です。
正しい知識を持つことで、トラブルを避け、安全に無線機を楽しむことができます。
無線機の購入や使用について不安がある場合は、ぜひ専門家や正規販売店に相談してください。
安全で快適な無線機ライフを送りましょう!