介護の現場では、利用者の方に最適なサービスを提供するために、情報共有を行いながら連携して職務を行う必要があります。
しかし、人手不足の中で、こまめに情報共有の時間をとることは難しい場合も多いですよね。
そこでおすすめするのが、介護現場で「インカム」を活用することです。
インカムを介護現場に導入することで、より円滑に支援を行える可能性が高まります。
今回は、「インカム」についてどのようなアイテムなのか、導入すると得られる効果や注意点と合わせてご紹介します。
参考にしていただければ幸いです。
□そもそもインカムとはどのようなアイテム?
インカムは「インターコミュニケーションシステム」の略称です。
インカムそのものに明確な定義はされていませんが、一般的に「ヘッドフォンとマイク」が一対になった無線機のことをインカムと呼びます。
他にも、ヘッドフォンとマイクが一体となるようカスタマイズしたトランシーバーのこともインカムといいます。
インカムは使用される場面によって、指すものが異なりますので、注意するようにしましょう。
では、インカムはどのように使用するのでしょうか。
ここでは、無線機にヘッドフォンとマイクが一体化したものを「インカム」として一般的な使用方法をご紹介します。
一般的に、同時通話のできるインカムは複信方式です。
同時通話ができる複信方式のインカムは、送信ボタンを押して相手に呼びかけ、受け取る側が応答すると会話ができます。
会話をしている間は、送信と受信を切り替える必要はなく、ハンズフリーで会話を続けられる仕組みです。
ただし、ハンズフリーかどうか、交互に通話するタイプか、同時に通話できるかは機種によって異なります。
例えば、チャンネルを合わせると自動でモードを切り替えられるようなタイプや機器のボタンを押して切り替えるタイプも。
中には、1対1以上で同時に通話ができないタイプもありますので、注意しましょう。
また、こまかな使用方法もインカムの機種によって異なりますので、使用する際には確認するようにしてくださいね。
□インカムは介護現場でも活躍する?
*1対大人数での会話が可能
介護現場や医療現場でよく使用されるPHSは1対1でのみ会話ができます。
しかし、全体に対し、素早く情報を共有したいことも多いですよね。
そのような場合、PHSでは時間も手間もかかってしまいます。
インカムであれば、1対大人数での会話ができますので、情報共有がよりスムーズです。
チャンネルを分ければ、特定のグループのみに情報を届けられるのも便利なポイントの1つですね。
*業務の効率化に繋がる
インカムを使えば、時や場所を問わず、全員に情報を共有できます。
そのため、人を探して施設を動き回る必要もなく、ヘルプを呼ぶのも簡単になります。
人を呼ぶ手間や移動の手間を省くことで、業務の効率化に繋がること間違いありません。
*新人教育がよりスムーズに
インカムがあれば近くに先輩職員がいない場合にも、すぐに連絡が取れるため、新人職員の働きやすさにも繋がります。
どのような指示が行われているかも、耳でキャッチできますので、仕事への理解が深まる可能性も高いです。
□介護現場でインカムを導入する際の注意点
便利な面も多いインカム導入ですが、注意すべきこともあります。
具体的には、以下の4点に注意しましょう。
1.衛生面
施設によっては、インカムの導入数は限られてしまうため、職員の間で同じインカムを共有する場合があります。
イヤホンやマイクなどを共有することは、職員の方によっては衛生面が不安だと感じる方もいらっしゃるでしょう。
そのため、消毒をしながら共有するといったように、衛生面には注意する必要があります。
2.充電の必要がある
一般的にインカムは、定期的な充電が必要です。
長期間充電をしていない場合には、バッテリーに不備が生じてしまうこともあります。
また、充電場所や充電したものを保管しておく場所を設ける必要もあることを忘れてはいけません。
充電のような定期的なメンテナンスの手間や保管・管理が必要なことには、注意しましょう。
3.携帯するなら軽いものに
介護現場でインカムを使用するのは、仕事の最中がほとんどです。
インカムを持ち歩くのは、仕事の邪魔になってしまうと感じる方もいらっしゃいます。
また、インカムのコードが引っかかってしまう可能性やイヤホンで耳を痛めてしまう可能性も。
そのため、携帯することを想定して軽い機器を選ぶ、イヤホンの種類に気を配るといった工夫が必要です。
4.費用面
インカムは、導入や維持に費用がかかります。
初期費用は、メーカーや機種によって異なりますが、本体価格は約1万円ほどです。
そのため、大量に導入したい場合には、初期費用が高くなってしまう傾向にあります。
□介護現場でインカムを導入するなら補助金制度の活用がおすすめ!
先述した通り、インカムを導入する際には初期費用がかかってしまうため、導入をためらう方も多いでしょう。
実は、介護現場でインカムを導入する際には、補助金制度を活用できるケースがあります。
近年、業界を問わずDX化やデジタル技術の導入が推奨されています。
介護業界でも、ICT化への取り組みは進んでおり、介護事業でも「ICT補助金」が使用できることをご存じでしょうか。
*ICT補助金とは?
介護事業で活用できるICT補助金は、介護現場の労働環境を改善し、働きやすい環境をつくることを促進する助成金です。
具体的には、ICT化を進める介護事業者に対して、厚生労働省がICT導入時の費用を部分的に負担してくれます。
厚生労働省は、令和元年から介護現場で記録業務や情報共有、請求業務などをより円滑に行えるよう、介護ソフトやタブレット端末の導入をサポートしています。
補助金の対象となるのは、ICT化に必要なデジタル端末やシステム、クラウドソフトなどです。
例えば、モバイルパソコンやタブレット端末、介護記録システムやシフト管理ソフトなど広い範囲に適用されます。
実は、情報通信機器であるインカムも補助金制度の対象です。
コミュニケーションを円滑に行い、働きやすさを向上させるためのツールとして補助金対象にあてはまるとされています。
*ICT補助金を使用するにはどうする?
ICT補助金を使用するには、各自治体の発表している申請期限内に所定の手続きを踏んで申し込みをしましょう。
各自治体によって申請の期限は異なります。
そのため、施設のある自治体のホームページを確認し、申し込みを行うようにしましょう。
また、ICT補助金の限度額も、自治体によって補助率が異なりますので合わせて確認することをおすすめします。
□まとめ
今回は、インカムについて、介護現場で使用することでの効果や注意点をご紹介しました。
インカムは、1対複数でどこにいても迅速に情報共有できるため、より円滑に仕事を進められます。
一方で、衛生面や初期費用など注意するべきポイントもありますので、確認したうえで導入を検討するようにしましょう。
介護現場でインカムを導入する際には、厚生労働省の取り組んでいる「ICT補助金制度」が対象になりますので、そちらを活用することもおすすめです。
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