トランシーバーってどんなもの?意外と知られていないその仕組みを解説します!

  • お役立ち情報無線機類
トランシーバーってどんなもの?意外と知られていないその仕組みを解説します!

通信手段の1つとして「トランシーバー」のことを知っている方は多いと思いますが、その仕組みや具体的にどのようなものなのかについては、ご存知ない方もいらっしゃるでしょう。
トランシーバーの仕組みや特徴について知っておくと、いざトランシーバーを購入するときに、どのような点を基準にして選べば良いのかが分かりやすくなります。

そこで今回は、トランシーバーがどのようなものなのか、その種類や仕組みについてお伝えします。
トランシーバーに興味をお持ちの方で、今後使用する可能性がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

□トランシーバーってどんなもの?

トランシーバーとは、携帯電話やスマホと同じく、遠くにいる相手とコミュニケーションをとるための機器の一種です。
それでは、携帯電話との違いはどのような点にあるのでしょうか。

携帯電話にはない、トランシーバーのメリットとしては、ボタン1つで簡単に操作できることがあります。
ボタンを押して、トランシーバーに向かって話せば良いだけなので、誰でも気軽に使えるのはメリットの1つといえるでしょう。

また、1度に複数の相手に向けて情報を発信できることも、トランシーバーのメリットとして挙げられます。
そのため、業務連絡のような素早い対応が必要とされる場面において、トランシーバーは大活躍してくれるでしょう。

□トランシーバーの種類をご紹介!

ここでは、トランシーバーの4つの種類についてご紹介します。

1.MCA無線
MCA無線とは、複数の通信チャンネルを多数の利用者で共用して使う、デジタル業務用移動通信システムのことです。
全国に114ヵ所ある中継局を経由して通信を行う仕組みになっていて、契約次第では全国での通信もできます。
また、専用の通信網を利用しているため、混信や回線の混雑が起きにくいのもメリットです。

2.簡易無線
簡易無線とは、その名の通り簡易な業務を目的として利用される無線機です。
通信距離はおよそ2km〜5kmほどで、ある程度離れた位置にいても通信できます。
利用するためには、無線局への免許もしくは登録の申請が必要ですが、レンタルの場合には申請が不要なため、今すぐ使いたい場合にはレンタルを検討しましょう。

3.IP無線機
IP無線機とは、携帯電話用のインターネット回線を利用して通信を行なう、長距離用のトランシーバーです。
使用するために免許や登録は必要なく、また通信距離の制限がないため、全国での通信ができます。

ただし、山間部や地下のような携帯電話が使えない環境では、IP無線機も使えなくなってしまうので注意しましょう。

4.特定小電力トランシーバー
特定小電力トランシーバーは、送信出力が0.01w以下と弱く、通信距離が比較的短いトランシーバーです。
通信距離の目安は、見通しの良い開けた場所で約200m、遮蔽物の多い場所では100m程度になっています。
こうした通信距離での制限がある一方、免許や登録が不要で、安く購入・レンタルできることから、多くの方に利用されているトランシーバーです。

□トランシーバーの周波数帯について

ここからは、各トランシーバーの周波数帯についてお伝えします。

1.MCA無線の周波数帯
MCA無線の周波数帯としては、800MHz帯の電波を利用しています。
先程もお伝えした通り、MCA無線は全国に設置された中継局を活用するため、広範囲での通信が可能です。
この中継局を活用することで、携帯電話のように回線が混むこともないため、防災や災害時の緊急連絡手段にも適しています。

2.簡易無線の周波数帯
簡易無線の周波数帯としては、150MHzから470MHzあたりを推移しています。
また、送信出力も最大5wと力強いため、通信可能距離も比較的長いです。

ただし、簡易無線のデジタル化に伴い、350MHz帯と400MHz帯のアナログ無線機は、2024年の12月以降利用できなくなってしまいます。
そのため、簡易無線を利用する際には、この点に十分注意しておきましょう。

3.IP無線機の周波数帯
先程もお伝えした通り、IP無線機は携帯電話の通信網を利用するため、周波数帯は携帯電話と同じく、3Gや4Gといったデータ通信網を使用します。
そのため、無線機同士が通信エリア内にあれば、どこにいても通信することが可能です。
長距離での利用を考えている場合には、最適な機種といえるでしょう。

4.特定小電力トランシーバーの周波数帯
特定小電力トランシーバーの周波数帯は、420MHzから440MHzになっています。
また、出力が0.01wと非常に小さいため、使用にあたって免許や登録は必要ありません。
ただし、通信可能範囲はあまり広くないため、レジャーや店舗内でのやりとりのような、至近距離で使用する場合におすすめです。

□トランシーバーの仕組みを解説!

ここからは、トランシーバーの仕組みについて解説していきます。

*交互に通信する「単式方式」

基本的にトランシーバーは、一方向でのみ会話ができる「単式方式」の仕組みをとっています。
この仕組みは「交互通信」とも呼ばれていて、送信と受信を交互に行うことから、この名称が付いています。
つまり、トランシーバーを使って会話をする際には、話し手が1名のみに限られてしまうわけです。

トランシーバーで自分の声を相手に届けるためには、端末のボタンを押し続けながら話しかける必要があります。
そのため、携帯電話のようにスピーディーな会話ができない点はデメリットかもしれませんが、必要な情報を必要な時にのみやりとりできるのはメリットともいえるでしょう。

*チャンネルに周波数帯を割り当てることで複数人とも会話できる

トランシーバーは、チャンネルに周波数帯を割り当てることで、会話ができるような仕組みになっています。
イメージとしては、テレビやラジオのチャンネルを思い浮かべてもらえると、分かりやすいかもしれません。
そのチャンネルに共通の周波数帯を設定することで、グループの間で会話が行えます。

□トランシーバーの選び方を解説!

ここからは、トランシーバーを選ぶ際のポイントについてお伝えしていきます。

*距離・用途で選ぶ

ここまでお伝えしてきた通り、トランシーバーにはさまざまな種類があり、それぞれその用途や機能は異なります。
そのため、どのトランシーバーを購入するか選ぶ際には、そのトランシーバーの通信距離や用途といったスペックを確認しましょう。

例えば、学校やライブ会場のような広い範囲で使用するのであれば、通信距離が長い機種が必要です。
その他にも、屋外で使用する場合には、防水や防塵性能を備えたトランシーバーを選ぶ必要があるでしょう。

こうした用途やスペックは、製品情報からチェックできるので、購入する前に必ず確認しておくようにしましょう。

*メーカーで選ぶ

基本的に、トランシーバーの用途や機能性は、どのメーカーの製品であってもほとんど変わりません。

しかし、各メーカーによって、その製品の「売り」とするポイントは変わってきます。

代表的なメーカーでいえば、日本を代表する無線機メーカーの「iCOM」は、豊富な種類の無線機を製造・販売しているため、バリエーションが多いのが特徴です。
さらには、全体的に安定した品質の製品が多く、信頼性の高さに秀でているといえるでしょう。

また、同じく大手メーカーである「KENWOOD(ケンウッド)」は、オーディオ機器のメーカーでもあるため、音質がクリアなものが多いです。
そのため、通話のしやすさではiCOMにも引けを取らず、操作性にも優れています。

このように、各メーカーにはそれぞれ異なるセールスポイントがあります。
そのため、トランシーバーを選ぶ際には、どんなトランシーバーが欲しいのかをイメージして、それを実現してくれるメーカーを選ぶと良いでしょう。

□まとめ

トランシーバーには、大きく分けて「MCA無線」「簡易無線」「IP無線機」「特定小電力トランシーバー」の4つの種類があります。
それぞれ特徴や周波数帯が異なるので、用途に合わせて最適な機種を選ぶようにしましょう。

また、トランシーバーは基本的に、一方通行での通信しかできない「単式方式(交互通信)」の仕組みをとっています。
そのため、トランシーバーの話し手は必ず1名に限られますが、チャンネルに周波数帯を割り当てることで、グループで会話ができるようになることを覚えておきましょう。

Keywords

キーワード辞典

Contact

無料相談はこちらから

お電話・メール・LINEの中からご利用しやすい方法をお選びいただき
お気軽にお問い合わせください。